ミニ知識

ミニレッスン1 額縁(素材)

額縁の素材には木材、金属、樹脂などが使われます。好みで使い分けますが、中でも木材はデザインのバリエーションが豊富で後からの加工も容易なため最も広く使われています。

ミニレッスン2 額縁(寸法)

額縁の寸法は大きく分けて「特注寸法」と「既成の寸法」があります。洋服と同じですね。特注はミリ単位の好きな寸法で作ってもらえます。既成は日本独自の規格があり、何れも裏板が入る部分の寸法が記されています。

ミニレッスン3 額縁(カバー)

額縁におさめるものを守るために表面を覆うのがアクリルやガラスです。UVカット、低反射など様々な機能を持つものが用意されています。眼鏡と似ていますね。大きさや飾る場所、中に入れるものの重要度などを考慮して決めます。

ミニレッスン4 額縁(箱)

額縁は通常「被せ箱」という段ボール製の箱に入っていることが一般的ですが、その他棚に箱を立てたまま側面の蓋を開いて額装品をスルスルと引き出せる「差し箱」があります。それを更に丈夫に美しくしたのが「畳箱」(タトウ箱)です。着物を包むのはタトウ紙といいますね。虫よけ効果のあるウコン染めされた布の袋に入れてからしまいます。

ミニレッスン5 マッティング

額縁と絵の間の余白部分の厚紙をマット(またはパスパルトゥ)といいます。主に紙の作品に用いられ、保護や装飾の役割を担っています。特にフランスではそのデザインが豊富で飾る場所や作品などに合わせて楽しまれています。アンダーマット(絵の裏側にあてる紙)と共に作品に一番近い場所にあり、中性や弱アルカリの専用の厚紙を用いて劣化から守ります。

ミニレッスン6 保存額装

額装の大切な役割の一つに「保存」があります。保存額装(コンサベーション)の世界は日々進化していて、ガラス、アクリル、紙類、糊類、テープ類、箱等額装にかかわるあらゆるものが研究され商品化されています。

ミニレッスン7 紙(縦目 横目)

紙には「向き」があります。液体の中に繊維を混ぜて機械や手作業で漉いて紙を作りますが、川を流れる沢山の丸太のように製造中に繊維が一定の方向を向きます。この繊維と並行の向きが「縦目」垂直が「横目」です。用途により使い分けます。

ミニレッスン8 マーブル紙

液体に絵の具を浮かせて紙に写し取る技法で作られるマーブル紙は、大変古くから日本や中国、トルコ、ヨーロッパなどで書画の枠取りや製本に使われていました。現代の額装においても効果的な差し色の役割割をはたしてくれる魅力的な素材です。年々工房や作家が少なくなり貴重なものとなりました。